
FXでのN理論、エリオット波動理論とは
皆さん、「N理論」という言葉は聞いたことはありますか?
FX取引を経験されている方であればご存じかもしれませんが、為替相場はN字を描いて変動しています。
長い時間足で見れば一直線にチャートを形成しているように見えるかもしれませんが、実は、短い時間足で見ると一直線ではなくジグザグとN字を描いて変動しているのです。
初めてチャートを見る方や、チャートってどうやって見るのだろうと思われている方がいれば「N字を描いて動く」ことを理解しているだけで、為替相場の動きを予測でき、チャート画面が訳の分からないものから、きちんと理解できるまでに変化するかもしれません。
目次
N理論とは
では、N理論についてお伝えしていきたいと思います。
「N理論」とは、相場はN字を描いて変動していくということを利用して取引していこうというものです。
まず、N理論について簡単に説明していきます。
1つの波(トレンド)が形成された後、次の波(トレンド)がどこまで続くのかを算出する方法です。N理論を意識しているトレーダーは多くいるため理解しておきましょう。下図 AB=CDがN値となります。
チャート上に形成するN形
さて、皆さん為替相場はどのように動いているのでしょうか。チャート画面を見たことない方も既にみたこともある方も一緒に想像して考えてみて下さい。
AからBまで動く(価格変動)と仮定して考えてみましょう。
上記図は間違った例で、チャートは一直線に形成しません。 図上記図のようにジグザグとN字を描きながら形成します。
上記図のように、為替相場の動きはAB間の動きを直線で動かずに、N字を描いてAB間を動いていきます。
また、一つのNが完成している中にもさらに小さなNを作って動いている (下図参照)のです。そして、N字を描くといってもきれいなN字だけでなく歪んでいるN字を作ることもあります。
N値の算出方法
N計算値、E計算値とは、チャート上で高値と安値の目安となる目標値のことです。テクニカル分析の一種であるN波動分析をベースにしています。
各数値は次のようしてに求めます。
N計算値とは
N計算値とは、 1つの波(トレンド)が形成された後、次の波(トレンド)がどこまで続くのかを算出する方法です。N理論を意識しているトレーダーは数多くいるためN計算値の算出方法を理解しておきましょう。
E計算値とは
E計算値とは、1つの波(トレンド)が形成された後、その波を安値(高値)A及び高値(安値)Bと定め、1つの波(トレンド)ABの長さがこれから形成する波(トレンド)のDを算出する。N理論を理解された後、E計算も頭に入れておくことで今後のトレードをより優位に行うことが出来るので覚えておきましょう。
N計算値及びE計算値は頻繁にチャート上に出現します。
実際のチャートで見てみると、大きいNやEで形成している中に、小さなNやEを形成していることがわかるでしょうか。このことから、短い時間足から長い時間足までどの時間足でもNや、Eの動きというのは出現するのでN理論は固定の時間足に縛られることなく使用できるテクニカル分析方法となっております。
N理論とエリオット波動
エリオット波動とは
エリオット波動とは、「上昇5波、下降3波によって1つのサイクルが形成される」という考え方であり、相場の今後を予測する方法の1つです。
エリオット波動の構成要素は、N波動を含め、以下の6つの波動があります。
- I波動
- V波動
- Y波動
- P波動
- N波動
- S波動
以上が、エリオット波動を構成する6つの波動です。
相場を分析する際に、この波動を見つけられるようになると、より優位的なエントリーポイントを理解することができるようになり、取引に活かすことが出来るようになりますので是非覚えてください。
そして、エリオット波動の決まりとして
- 第2波は第1波の安値を割らない
- 第3波は第1波の長さを下回らない
- 第4波は第2波を下回らない
の3点があります。
細かなことはまだありますが、これが崩れた時点でエリオット波動ではなくなります。
エリオット波動の見分け方
上記にて簡単にエリオット波動についてお伝えしてきました。
しかし、どの波が第1波なのか第2波なのか見分け方がわからない方もいらっしゃると思いますので、解説していきます。
まず、下図左側のネックライン(オレンジライン)を第1波が強く抜けていることを確認した後、1波に対して2波が約半値戻しから第3波が発生しております。
ここが見分けるポイントであります。
ネックラインを強く抜けたことを確認し、第1波の安値を第2波が割らないことを確認できたのであればここからエリオット波動の第3波が発生すると予想を立て取引していくのが良いでしょう。
そして、N理論との組み合わせとして、エリオット波動の第3波が発生すると予想し、下図のオレンジ色の実線(トレンドライン)抜けより、N値での利確もしくは、E値まで見るのも良いでしょう。
ここでエントリーが出来ることでトレンドライン抜けから素直に伸びてくれるのでストレスが少なく、また保有時間も他のNの狙い方より短く決済まですることが出来ます。
エリオット波動の第3波を狙うメリット
エリオット波動の第3波を狙うメリットとして、
- トレンドライン抜けから勢いよく抜けていくのでストレスなくトレードが行えます
- 上昇トレンドと理解できるので買い場に狙いを定めることが出来る
- 第3波は明確な買い場であり、第1波や第5波よりリスクをかけずにトレードが出来る
などがあります。
第3波を狙いN値で利確、損切りを付けトレードしていくということを、私は実践取引で使用しています。
やはり、トレードをしていてストレスが少なく行える方法というのはすごく重要であり、エリオット波動の第3波を狙うという方法はこのストレスが少なく行えるトレードの1つだと思います。
皆さん既にご理解いただけたように、相場はN波動が基本となります。「Nの字を描いて価格の変動をしている」このことを理解しておくだけでもチャート分析がしやすくなるのではないでしょうか。 N理論を習得することで、トレードでよいエントリーポジションを取ることができても、早すぎる利確をしてしまうのを避け、効率よく利確できるようになります。ぜひ覚えてご自身でN計算値やE計算値を算出し、トレードに活用しましょう。
N理論とハーモニックパターン
そして、ハーモニックパターンのチャートパターンを利用した明確なエントリーポイント及び利確、損切りについてお伝えさせていただきます。
ハーモニックパターンとは
まず、ハーモニックパターンを初めて聞いた方もいらっしゃると思いますので簡単に説明させていただきます。
ハーモニックパターンとは、
- フィボナッチの数値を利用したテクニカル手法
- 反転のポイントを見極めることが出来る
になります。このハーモニックパターンを理解しておけば今後の予測がたてやすくなります。
しかし、ハーモニックパターンは複数のパターンがあり、すべてを理解することは大変だと思いますので、今回は2種類のパターンをお伝えします。
ガートレーパターン
ガートレーパターンの定義(当塾定め)
①XAに対してABの戻りが61.8%
②CはAの高値・安値を更新しない
③XAに対してDは78.6%で反転


バットパターン
バットパターンの定義(当塾定め)
①XAに対してABの戻りが38.2%or50%
②CはAの高値・安値を更新しない
③XAに対してDは88.6%で反転


N理論との組み合わせ
上記にてハーモニックパターンの2種類をお伝えしました。このガートレーパターンとバットパターンの利確のポイントをN理論で定めるというのが、今回一番お伝えしたいことです。
ガートレーパターンとN理論

Dからのエントリーで、損切りはXのすぐそばに置きます。利確はN値もしくはA。(強気で狙うのであればXAの127.2%or161.8%までもしくはE値まで見てもOK)
バットパターンとN理論

Dからのエントリー。損切りはXのすぐそば。利確はN値もしくはA。(強気で狙うのであればXAの127.2%or161.8%までもしくはE値まで見てもOK)
ハーモニックパターンは相場で当てはめて見てみると、かなりの割合で発生している形だと感じます。ハーモニックパターンを理解していることでエントリーの1つの根拠になればいいなと思います。
ハーモニックパターンの反転ポイントはわかるようになった時に利確のポイントがわからないのでは使えませんよね。そこで、今回お伝えした利確ポイントをN理論を利用して定めることでしっかりと利益を残せるようになると思います。ぜひ、「ハーモニックパターンとN理論」の組み合わせトレードを試してみてください。
まとめ
今回は、相場の動き方についてお話させていただきました。色々な説明をしましたが、単純に言うと、相場はN字を描いて形成するということです。一直線に進むのではなくN字を描くということを理解しているだけで相場の予測立てをする際に利用できます。
また、N理論についてもお話させていただきました。N理論は多くのトレーダーが利用している理論であり、理解しておくことで今後のトレードに利用できます。N理論は至ってシンプルであり、算出方法も分かりやすいものですのでしっかりと練習をすることで自分のものにすることが出来ると思います。
私は、N理論は万能であると考えています。なぜならN理論だけで利確、損切り、エントリーポイントまで算出することが出来るからです。1つの理論を用いるだけで勝てるようになるというのもこのN理論の素晴らしい点だと思います。皆様もN理論を自分のものにして勝てる手法の1つとして取引に活用していきましょう。