
ハーモニックパターンを使用したFXトレード
目次
ハーモニックパターンとは
ハーモニックパターンとは、欧米を中心に人気があるチャート分析で、フィボナッチの数値を利用したトレード手法になります。勝率は80%以上とも言われており、主に反転(逆張り)ポイントを見極めることができます。
ある1波に対して反転が発生した時に、その反転ポイントの数値の組み合わせでパターンが決まります。それぞれの数値の使い方に関しては、ハーモニックパターンの見つけ方で解説しています。
ハーモニックパターンを初めて見る方にとっては、厳密に数値が定められているので難しく感じる方もいるかもしれません。ただ、ハーモニックパターンを知ることでメリットもたくさんありますので、一緒に勉強していきましょう。
そして、ハーモニックパターンでは、フィボナッチリトレースメントを使用します。
フィボナッチリトレースメントとは
ハーモニックパターンを勉強する前に、フィボナッチリトレースメントについて知る必要があります。
フィボナッチリトレースメントは、直近高値(安値)から安値(高値)に向かってチャート上に線を引くことで、1波目に対し、どこまで戻したかを計測することができます。そこから反転ポイントを予測することができるツールの1つです。
フィボナッチリトレースメントの使い方
フィボナッチリトレースメントはできるだけシンプルに当てることが望ましいとされています。下記画像では左下の大きいトレンドに対して高値から安値に向かってフィボナッチリトレースメントを引いています。
Moneyhuntで使用しているフィボナッチの数値は、【11.4%・38.2%・50%・61.8%・78.6%・88.6%・127.2%・141%・161.8%】の9つになります。
MT4上でのフィボナッチのレベル(数値)の追加については、下記の記事で解説しています。

ハーモニックパターンのメリット
では、ハーモニックパターンのメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
- 損切りの場所を決めやすい
- 損小利大の戦略を立てやすい
損切りの場所を決めやすい
トレードをしていく上で、損切りは非常に重要になってきます。
ハーモニックパターンは、「フィボナッチリトレースメント」を利用して反転ポイントを見つけるので、その数値を利用すると損切りのポイントも見えてくるのではないかと思います。
損小利大の戦略を立てやすい
ハーモニックパターンは、いわゆる損小利大のポイントを見つけやすい形となっています。
理由としては、損切りの幅が狭いことと、反転ポイントになるので、利益が大きく見込めます。フィボナッチの数値を利用するため、エントリーをピンポイントで行えるため、戦略を立てやすいのも魅力です。
これは、ハーモニックパターンが人気である理由の1つであると言えます。
ハーモニックパターンのデメリット
ハーモニックパターンのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
- 見つけるのが難しい
- 数値を覚える必要がある
見つけるのが難しい
ハーモニックパターンは、フィボナッチリトレースメントを利用してチャートを見つけるものになりますので、そもそもフィボナッチを当てる場所が分からなかったり、間違った当て方をしてしまう方も少なくありません。
これは、バックテストやデモトレードでチャートパターンに慣れていくと良いかと思います。

チャート上でのハーモニックパターンに慣れていくと、徐々に見つけられるようになります。
数値を覚える必要がある
ハーモニックには、何種類かパターンがある上に、反転の数値を覚えないといけません。
数値を覚えるのは大変ですが、自分の見つけやすいパターンを選んで数値を覚えるようにすると、早く習得できるようになるかもしれません。初心者の方は、何か一つ見つけやすい得意なパターンを選んで、それを極めていくのも良いかもしれません。
ハーモニックパターンの見つけ方
「MoneyHunt」では、5つのハーモニックパターンについて説明します。
ハーモニックパターン:ガートレー
ガートレー買いパターン

買いパターンは、まずXを起点としてAに向けて上昇、その後Bまで下降し、61.8%付近で反発します。このとき、Bの位置がXを下回ってしまった時点でパターン形成は失敗となります。そしてCに向けて上昇し反発、CはAの水準を上回らないことが条件となります。その後、Dまで下降し、78.6%での反発からの買い。
損切りの水準は最初X付近に置き、ある程度上昇したら、負けのないように損切りを動かすのも1つの手です。
ガートレー売りパターン

売りパターンは、まずXを起点としてAに向けて下降、その後Bまで上昇し、61.8%付近で反発します。そしてCに向けて下降し反発。その後、Dまで上昇し、78.6%での反発で売り。
損切りの水準は最初X付近に置き、ある程度下降したら、負けのないように損切りを動かすのも1つの手です。
ハーモニックパターン:バット
バット買いパターン

買いパターンは、まずXを起点としてAに向けて上昇、その後Bまで下降し、38.2%付近、又は50.0%付近で反発します。そしてCに向けて上昇し反発。その後、Dまで下降し、88.6%での反発で買い。
バット売りパターン

売りパターンは、まずXを起点としてAに向けて下降、その後Bまで上昇し、38.2%付近、又は50.0%付近で反発します。そしてCに向けて下降し反発。その後、Dまで上昇し、88.6%での反発で売り。
ハーモニックパターン:クラブ
クラブ買いパターン

買いパターンは、まずXを起点としてAに向けて上昇、その後Bまで下降し、38.2%~61.8%付近で反発します。そしてCに向けて上昇し反発。その後、Dまで下降し、161.8%での反発で買い。
クラブ売りパターン
売りパターンは、まずXを起点としてAに向けて下降、その後Bまで上昇し、38.2%~61.8%付近で反発します。そしてCに向けて下降し反発。その後、Dまで上昇し、161.8%での反発で売り。
ハーモニックパターン:バタフライ
バタフライ買いパターン

買いパターンは、まずXを起点としてAに向けて上昇、その後Bまで下降し反発、Cに向けて上昇し反発。その後、Dまで下降し、127.2又は161.8%での反発で買い。
バタフライ売りパターン

売りパターンは、まずXを起点としてAに向けて下降、その後Bまで上昇し反発、Cに向けて下降し反発。その後、Dまで上昇し、127.2又は161.8%での反発で売り。
ハーモニックパターン:サイファー
サイファー買いパターン

買いパターンは、
左図:まずXを起点としてAに向けて上昇、その後Bまで下降し38.2~61.8%で反発、Cに向けて141.0%まで上昇。
右図:XAに当てていたフィボナッチを、XCに当て直し。その後、XCに対して、Dまで下降し、78.6%での反発で買い。
サイファー売りパターン

売りパターンは、
左図:まずXを起点としてAに向けて下降、その後Bまで上昇し38.2~61.8%で反発、Cに向けて141.0%まで下降。
右図:XAに当てていたフィボナッチを、XCに当て直し。その後、XCに対して、Dまで上昇し、78.6%での反発で売り。
ハーモニックパターンの注意点
テクニカル分析を行い、ハーモニックパターンなどのチャートパターンでトレードを行う際には、いくつか注意しておかなければいけないことがあります。それは、
- 予測が外れることがある
- 資金を残しておく
- 損切りを徹底する
一つずつ解説していきます。
予測が外れることがある
きちんと根拠を立てて正しく分析ができていても、値動きの予測は外れることがあります。それは、勝率が高いと言われているハーモニックパターンも同じです。
相場を完璧に予測することは、誰にもできません。しかし、チャートパターンで損小利大のエントリーポイントを見つけることができるようになれば、利益をきちんと残せるようになっていきます。
資金を残しておく
予測が外れてしまっても、次にまたチャンスはきます。その時には、資金が残っているかどうかが非常に重要になってきます。チャンスに必ずエントリーできるように、資金をしっかりと確保しておきましょう。
資金をしっかり確保しておくためには、損小利大のポイントでエントリーすることが重要になってきます。
ハーモニックパターンは損小利大のエントリーポイントを見つけやすいチャートパターンになります。エントリー後にパターンが崩れたらすぐに損切りをしましょう。これを継続的に行っていくことで、資金は残しておくことができます。
損切りを徹底する
損切りは、自分の資金を守るために必ず徹底しましょう。チャートパターンでの予測が外れていた時点で、最初の前提が崩れてしまっているので、素直に損切りをすることが必要であるといえます。
しっかりとチャートパターンを見極めて、自分の戦略を持てていれば、躊躇なく損切りができるようになります。自分の戦略と異なる動きをしてパターンが崩れてしまったら、損切りをするということを徹底しましょう。
ハーモニックパターンの応用
ハーモニックパターンは、反転のポイントを見極められるチャートパターンではありますが、利確の場所を決めることが難しいと言えます。
そこで、N理論と組み合わせることにより、利確や損切りのポイントも決めることができます。ハーモニックパターンとN理論の組み合わせに関しては、下記の記事をご覧ください。

まとめ
ハーモニックパターンの基本を解説しました。
ハーモニックパターンに慣れるまでは、数値を覚える必要があったり、フィボナッチを引く場所が分からなかったりすることもあるかと思います。しかし、ハーモニックパターンを自分の手法の1つとして使えるようになると、トレードの幅が大きく広がるかと思います。
また、損小利大のポイントで継続してエントリーすることで、勝率が低くても利益を残せるということが理解できるようになっていきます。しっかりと利益を残せるトレーダーを目指して、ハーモニックパターンを習得しましょう。